はじめに
焼魚あまねです。
今回も制作中のビジュアルノベル『吸血天使のユニット戦線』について、制作状況を紹介していきます。
前回までは、ゲームのフルボイス化について、導入する理由や必要な作業量などを取り上げました。今回は少し視点を変えて、ゲーム全体のボリュームについて考えてみたいと思います。
というのも、本作は長い期間をかけて制作していることもあり、シナリオの文章量がかなり大きくなっています。制作している僕自身、完成したゲームを最初から最後までプレイすると、いったい何時間くらいかかるのだろうかと気になっていました。
そこで今回は、現時点での文章量や音声の再生時間などをもとに、想定プレイ時間を試算してみることにしました。
現在のシナリオはどれくらいの規模なのか?
まず、現在のシナリオ全体の規模について整理してみます。
本作は50話以上で構成される長編のビジュアルノベルです。
シナリオにはキャラクター同士の会話だけでなく、地の文や登場人物の内心描写なども含まれています。
現時点で把握している文章量は、おおむね以下のとおりです。
| 項目 | 規模 |
|---|---|
| シナリオ構成 | 50話以上 |
| 表示される文章量 | 約23万字 |
| キャラクターの会話 | 約14万6,000字 |
| 会話以外の文章 | 約8万4,000字 |
いずれも制作途中での概算であり、今後の修正によって変動する可能性があります。こうして数字にしてみると、改めてかなりの文章量になっていることが分かります。
もちろん、文章量が多ければ、それだけで作品として優れているというわけではありません。ただ、プレイ時間を考えるうえでは、文章量が重要な目安になることは間違いありません。
文章を読む速度からプレイ時間を計算してみる
まずは、ゲーム内の文章をすべて読む場合、どれくらいの時間が必要になるのかを計算してみます。
文章を読む速度には個人差がありますが、今回は仮に1分間に300字、400字、500字という3つの条件を設定してみました。
計算方法は単純で、文章の総文字数を1分間に読む文字数で割るだけです。
| 読む速度 | 約23万字を読む時間 |
|---|---|
| 300字/分 | 約12時間47分 |
| 400字/分 | 約9時間35分 |
| 500字/分 | 約7時間40分 |
こうしてみると、読む速度によってプレイ時間にかなり大きな違いが生まれます。
ゆっくり読み進める場合には12時間以上、比較的速く読む場合には8時間を切る計算です。
ただし、これは文章を読む時間だけを計算したものです。
実際のゲームでは、立ち絵や背景の切り替え、演出、選択肢の操作などもあるため、文章量だけで正確なプレイ時間を判断することはできません。
また、今回の作品ではフルボイス化を進める予定なので、音声を最後まで聴くかどうかによっても、プレイ時間が変わってくると考えられます。
フルボイスでプレイするとどうなる?
続いて、キャラクターの音声を最後まで聴きながらプレイする場合について考えてみます。
以前、フルボイス化に必要な音声の規模を試算した際、キャラクターの会話量は約14万6,000字という結果になりました。これを音声として読み上げる場合、話す速度によって必要な時間が変わります。
今回は、1分間に約354字という読み上げ速度を仮定して計算してみました。
約14万6,000字をこの速度で読み上げると、およそ412分になります。
時間にすると、約6時間52分です。
つまり、会話部分の音声だけで、およそ7時間近くになる計算です。
もちろん、これは単純な試算であり、実際の音声では間の取り方や感情表現などによって変わってきます。それでも、かなりの長さになることが分かります。
なお、ゲーム内では音声を聴きながら文章を読むことになるため、音声の再生時間と文章を読む時間をそのまま足し合わせるわけではありません。
音声付きの会話部分については、プレイヤーがどこまで音声を聴くかによって、プレイ時間が左右されることになります。
地の文や内心描写にかかる時間
会話以外の文章についても考えてみます。
本作には、キャラクターの会話以外にも、情景の説明や登場人物の内心などが含まれています。
その文章量は約8万4,000字です。
こちらについては、プレイヤーが自分のペースで読み進めることになるため、読む速度から所要時間を考えてみます。
| 読む速度 | 約8万4,000字を読む時間 |
|---|---|
| 300字/分 | 約4時間40分 |
| 400字/分 | 約3時間30分 |
| 500字/分 | 約2時間48分 |
このように、会話以外の文章だけでも数時間分のボリュームがあります。フルボイスで会話を聴きながら、地の文や内心描写を読んでいくと考えると、全体の所要時間はかなり長くなりそうです。
演出や操作にかかる時間も考えてみる
ここまで、文章を読む時間と音声を聴く時間について計算してきました。
しかし、ビジュアルノベルは文章を読むだけの作品ではありません。
本作にも、背景の切り替えやキャラクターの表示、イベント演出など、さまざまな要素があります。こうした演出をすべて含めると、単純な文章量から計算した時間よりも、実際のプレイ時間は長くなる可能性があります。
また、プレイヤーによっては、お気に入りの場面で少し操作を止めたり、バックログを確認したりすることもあるでしょう。
選択肢がある場面では、どちらを選ぶか考える時間も必要です。今回は、こうした文章の読み上げや読書以外の時間について、仮に45分から90分程度を見込んでみました。
もちろん、これも実測値ではなく、あくまで現時点での仮定です。
演出の実装状況やプレイヤーの操作によって、実際の時間は変化すると考えています。
想定プレイ時間は10〜12時間程度?
ここまでの試算をまとめると、次のようになります。
| 項目 | 想定時間 |
|---|---|
| 会話部分の音声再生 | 約6時間52分 |
| 会話以外の文章を読む時間 | 約2時間48分〜4時間40分 |
| 演出・操作など | 約45分〜1時間30分 |
| 合計 | 約10時間25分〜13時間2分 |
フルボイスの会話を最後まで聴くことを前提とした場合、概算では10時間半から13時間程度という結果になりました。
一方で、すべての音声を最後まで聴かず、自分のペースで文章を読み進める場合には、もう少し短い時間でプレイできると考えられます。
こうした条件を踏まえると、現時点では通常プレイでおおむね10〜12時間程度を一つの目安として考えています。
ただし、これは現時点のシナリオ規模から計算した予測であり、実際に完成したゲームを通して測定したものではありません。
今後の制作状況や演出の調整によっても変化する可能性があります。
最終的には、ゲーム全体を実際にプレイして、より正確な所要時間を確認したいところです。
10時間以上のビジュアルノベルという規模
今回の試算では、想定プレイ時間が10時間を超えるという結果になりました。
個人制作のゲームとして考えると、なかなか大きなボリュームになってきたのではないかと思います。
もちろん、商業作品や長編ビジュアルノベルの中には、数十時間に及ぶものもあります。
そのため、10時間程度という数字だけを見て、特別に長い作品だと断言できるわけではありません。ただ、僕が個人で制作している作品としては、相応の規模になっていることを改めて実感しました。
思い返してみると、最初からこれほどのボリュームを明確に想定していたわけではありません。
物語やキャラクターの表現を考えながら制作を進めていくうちに、少しずつ規模が大きくなっていったという印象です。それだけに、今後は作品全体の完成度を意識しながら、最後までしっかりと仕上げていきたいと思っています。
ボリュームだけでなく、遊びやすさも大切にしたい
プレイ時間が長い作品を制作するうえで、気をつけたいこともあります。それは、プレイヤーが最後まで快適に楽しめるようにすることです。
例えば、文章の表示速度や音声の再生方法、バックログの操作性などは、長時間プレイする作品ほど重要になってくると思います。
また、シナリオの区切り方やセーブのしやすさなども、遊びやすさに関わる要素です。
10時間以上の作品となれば、一度のプレイですべてを読み終える人ばかりではないでしょう。何日かに分けて少しずつ進める場合でも、ストレスなく続きを楽しめるようにしたいところです。
最近はメッセージウィンドウをはじめとしたUIの改善にも取り組んでいますが、こうした調整も作品全体のプレイ体験を高めるために重要な作業だと感じています。
単に文章量やプレイ時間を増やすのではなく、最後まで楽しんでもらえる作品を目指していきたいと思っています。
おわりに
今回は、『吸血天使のユニット戦線』の想定プレイ時間について、現在のシナリオ規模をもとに試算してみました。
約23万字という文章量から計算すると、通常プレイでは10〜12時間程度が一つの目安になりそうです。
もちろん、実際のプレイ時間は読む速度や音声の聴き方、演出などによって変化します。それでも、今回の計算によって、完成した作品の規模を以前より具体的に把握できたように思います。
また、プレイ時間を計算してみたことで、フルボイス化の作業量だけでなく、長編作品としての操作性や演出についても、改めて考えるきっかけになりました。
今後も制作を進めながら、完成までに必要な作業や作品の規模について、少しずつ紹介していきたいと思います。
それでは、また次回!
鯛焼ぷろじぇくと。Official Website