創作する中で、しばしば話題になる模倣とオリジナリティーについて今回は語ります。
創作している人は感覚的に理解していると思うのですが、議論になるとわりと炎上しやすい部分ですので、注意すべき点や考え方を述べていきます。
模倣とオリジナリティ―
模倣とは
模倣とは、真似ることです。
単純なことですね。
しかし、創作分野ではこの線引きが難しくなってきます。
オリジナリティーとは
オリジナリティーとは、独自性・独創性のある部分を指します。
しかしながら、創作において何もかも斬新で独自性溢れたものというのは少なく、ある種の模倣に変化を加えたものであると考えます。
様々な模倣
練習としての模倣
創作において、才能がある人というのはいますが、初めからそうではないはずです。
その際、まず初めに行うのが模倣でしょう。
これは意図せず誰もがやっていることです。
時に最初から、「自分にしか作れないものを作るぞ!」という人もいますが、出来上がったものは理想から遠く、かつ結局は模倣になっているものです。
それに、模倣すると言っても、簡単にできるものではありません。
例えばイラストを描くにしても、模写と称してプロのイラストを上からなぞっただけでは成長しません。
なぞるだけなら幼稚園児でも出来てしまうわけですから。
というわけで、練習として模倣することは悪いことではないどころか、積極的にやるべきことでしょう。
二次創作としての模倣
これは厳密にはキャラクターや設定の流用ですね。
これに関しては権利者のガイドラインに従うほかありません。
ダメな場合はダメですし、ルールがあるならそれに従いましょう。
基本的にはファンである作品の二次創作を行うと思います。
好きな作品に迷惑をかけないこともファンとしての振る舞いです。
もちろんですが、既存の作品を模倣し、それを自分の作品だと言い張るようないわゆる「パクる」行為はやめましょう。
これも権利者のガイドラインによりますが、「これくらいなら似せても良いだろう」などという勝手な判断は時に問題となります。
仮にやったとしても、これからの世の中厳しく罰せられるようになるとは思いますが。
オリジナリティーの出し方
一次創作におけるオリジナリティーというのは出そうと思って出るものではなく、必然的に出てくるものだと思います。
既存の創作物で満足できるのであれば、創作をしようなど思わないはずです。
つまり、自分が楽しいと思った作品を、自分ならもっとこうする、と考えて実行に移すのが、創作を始めるきっかけになるのではないでしょうか?
そして、ベースは模倣しつつも、自分の考えや表現したいことを反映させていくことで、その人らしい作品になっていくのだと思います。
なんだかんだ言って、模倣しようとしても完璧には行かないものです。
その完璧じゃない部分にこそ、オリジナリティーの原石はあって、磨いていくことで輝き出すのです。
オリジナリティーがない事を嘆き、それを出すために奇抜な表現を取り入れる人もいるかもしれませんが、奇抜であることがオリジナリティーに繋がるわけではないのです。
細部に宿るオリジナリティーもあります。
類似点が多い作品でも、ちょっとの違いが明確に作品の性質を変える場合だってあるのです。
ですから、オリジナリティーを出そうと思えば、表現の引き出しを増やしていくことが重要だと思います。
あらゆる作品が、様々な作品の模倣、その組み合わせで出来ているのですから。
その組み合わせの数は無限にあります。
独自性を出せる余裕は充分にあるのです。
以上、模倣とオリジナリティーについてでした。
同じ積み木を与えられても、組み方は人それぞれ。
オリジナリティーにこだわりすぎず、柔軟な発想で作品作りに取り組んでいくのが良いのではないでしょうか?