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「創作におけるバックアップと役割について考える」

皆さん、バックアップをしていますか?
今回は創作におけるバックアップの重要性や考え方について語ります。

バックアップとは?

バックアップとは、コンピューターのデータなどを、破損・紛失などに備えて、別の媒体に複製して保存すること。

デジタル創作においては、イラスト・音楽・テキストなどの創作物を、複製して保存することなどを指すかと思います。

バックアップしていないとどうなるか

単純に、データが失われたときに復元することが出来ません。

データが失われるということ

データが失われるということは、そのデータを作成するのに使った労力が時間が失われるということです。
それがどれだけ悲しいことであるのか、創作を愛する方なら痛いほど分かるかと思います。

つまり、失われるのはデータだけじゃない

データだけでなく、時間や労力の損失、それは創作意欲も奪ってしまいかねません。
特に、コツコツと時間をかけて創ったものならなおさらです。

更に、そのデータが依頼されたもの、取引先が存在するものであった場合、信頼を失うことにも繋がるわけです。
おそらく、仕事で創作されている方はその辺りしっかりされていると思いますが。

とにかく、バックアップがないという状態は、非常にリスクが高いということです。

バックアップをするメリット

バックアップには様々なメリットがあります。

焼魚あまね
焼魚あまね

ただデータを複製して保存しておくだけでしょ?
破損や紛失なんかが発生しない限り、役立つタイミングはないんじゃないの?

と思ったあなた。

そういう方にこそ、バックアップの素晴らしさを知っていただきたい。

まずは基本。失われても備えてあるという安心

これはバックアップの基本というか本質というか、最も重要なポイントですね。
創作している途中、例えばイラストをペイントソフトで描いているときなど、頻繁ではありませんがうっかり負荷をかけすぎたときにフリーズするというのは、たまにあるものです。

何年かデジタルイラストをされている方はかなりの確率で遭遇していると思います。

作曲でもそうですね、プラグインの絡みとかで負荷がかかってフリーズは充分起こりうる現象なのです。

また、ゲームを作っているならそのゲームデータがバグでフリーズすることもあるでしょう。

そんなときに、少なくともバックアップをとった時点でのデータがあれば、一から作り直すという最悪を回避できるのです。

あえて少し戻るということ

他にも、バックアップをとっておくメリットはあります。
それは、大きな変更を加えたときに気に入らなければ変更前に戻せるということです。

多くのソフトウエアが「アンドゥ」と「リドゥ」という機能を備えています。
皆さんよく使う「Ctrl + Z」と「Ctrl + Y」です。

しかし、その処理にはそれなりに一時メモリを消費しますし、それゆえに回数に限界があります。
処理によっては戻せないことも多いのです。

そういうときに、変更前データのバックアップがあれば戻すことが出来るのです。

これは仕様変更の際にも利用できるので、とても便利です。

比較することが出来る

これも先ほどのメリットに関連しますが、過去のデータをバックアップしておけば、そのデータを比較対象に使用することも出来るのです。

あとこれはイラスト描くことの多い私の場合ですが、過去データがあることでキャラクターデザインの変遷なども見ることが出来るわけですね。
まだやったことはありませんが、資料集・画集なんかを作る際に、「初期デザイン」なんかがあるとちょっと活用できたりするかもしれませんね。

というわけで、バックアップとは失われたり破損したとき以外にも使えるテクニックなのです。

バックアップの手法について

さて、メリットについて語りましたが、これらが上手く機能するためには、それに合わせてバックアップの方法も工夫する必要があります。
次はその点について語るとしましょう。

手法とはすなわち、バックアップのタイミングと保存方法

バックアップの神髄はこれに尽きるでしょう。

まずはタイミング。

破損に備える場合

破損に備える場合、考えるのは保存媒体の性能です。
ハードディスクであれSSDであれ、いつかは壊れますが、大体耐用年数があるかと思います。
昔はハードディスクは丈夫だけど速度が遅い、SSDは速いけど消耗も速く破損しやすい、といったイメージがありました。
今はSSDも性能が向上していますし、寿命も延びていると思います。

ですから、ハードディスクかSSDかというよりは、個々の製品の品質で考えた方が良いでしょう。

その上で、大体半年から1年くらいの間隔でバックアップをとるのが良いかと思います。

この場合は、個別のデータファイルというよりは、失うと困るファイル全てをバックアップします。
外付けのSSDやUSBなども安価なものが増えてきたので、そこそこ容量のあるものを用意すれば問題なくバックアップできるでしょう。

変更に対応する場合(考え方)

変更に対応する場合、大きな変更を加えるタイミングでバックアップをとると良いでしょう。
大抵のソフトは、「上書き保存」とは別に「名前をつけて保存」というのがあると思います。
これを利用し、「元タイトル+作成年月」のような名前で保存、「バックアップ」という言葉も入れておけばよりわかりやすいかもしれませんね。
名前順にデータファイルを並べたときに見やすいようにつけましょう。
また、バックアップフォルダを用意するのも良いと思います。

これで、変更を戻したいときや、比較したいときに使えますね。

しかし、これにはちょっとした習慣をつけなくてはなりません。
忘れてしまうこともしばしば起こるでしょう。

もちろん習慣づけるのがベストなのですが。
習慣づけるまでに問題が起こると困りますね。

というわけで、実践編。

変更に対応する場合(実戦)

慣れてくると、ある程度作業を進めたところでバックアップをとる、ということを出来るようになります。
ではその習慣が身につくまでの方法について教えましょう。

これはソフトウエアによってある場合とない場合があるのですが、ズバリ、「自動保存」と「自動バックアップ」です。 

自動保存についてはバックアップとは少し異なるのですが、そもそも保存する習慣自体が身についていないと、破損せずともフリーズした場合に確実にデータを失います。
ゆえに、これはそれを防止する方法ですね。

そして。自動バックアップ。
イラストソフトだとついていることが多いイメージなのですが、オプションなどでバックアップフォルダを指定しておけば、保存したタイミングでバックアップデータを作成してくれます。
大体その作成日時をファイルのタイトルにして保存されていますね。

これがあればぜひ活用しましょう。
うっかりバックアップを忘れる心配がなくなりますからね。

しかし、注意しなくてはならないのは、自動バックアップにも色々設定があり、万能ではないということです。
あと、勝手にバックアップを作ってくれる反面、確実にバックアップデータが増えるので、ドライブのデータ容量を圧迫することもあります。
放置せず、定期的に確認し、完全に不要なデータについては削除するようにしましょう。

というわけで、バックアップの必要性、メリットについて語らせていただきました。
私も創作を始めて頃はバックアップなんて概念もなく、ブルースクリーンに遭遇しては悲しみに暮れていました。

焼魚あまね
焼魚あまね

最近はほとんどブルースクリーン見ないね。

バックアップをとろう

バックアップをとってないよ、って方はぜひとりましょう。
容量の圧迫を気にするなら外付けの媒体も安く手に入るようになったので。

時間をかけて創ったものは失われるというのは、本当に辛いのです。
それまでの労力が無駄になったように感じますからね。

完全に無駄ではないのですが、創作って発表して知ってもらいたいって所も重要なので、発表できないけど「すごいものを作っていたんだぞ」って気持ちだけが残るのは精神衛生上もよろしくないと思うのです。

デジタル創作に熟練してくると、バックアップは基本なのですが、そこに至るまでに苦い経験があったりします。

出来れば、これから創作をしようという方々には、そこで躓いて欲しくないなと思うのです。
それでは皆さん、良い創作ライフをお過ごしください。

追伸:今回はクラウドでの保存について言及していませんが、クラウドを活用するのも良いと思います。しかし、クラウドも万能ではないので、リスク分散の一つと考え、ご自身でのデータ保管、バックアップも並行して行うことをおすすめします。