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ティラノビルダーとは
直感的な操作でノベルゲームを制作することの出来る開発ソフトです。
ブラウザ・PC・アプリ化にも対応しており、様々な形で配信することが可能。
カスタマイズにも柔軟で、分かりやすい・使いやすいのが特徴。
今、かなり勢いのある開発ツールだと言えるでしょう。
直感的に操作できるという圧倒的利点
様々な利点がある中で、最も大きな利点はこれでしょう。
とにかく使いやすい。
メインで使う開発画面は以下のような感じです。
コンポーネントと呼ばれるメニューから、行いたい処理をドラッグし、中央のシナリオファイルに並べていく。
たったそれだけでノベルゲームを作る事が出来ます。
何の作業をしているのか、視覚的に分かるのが良いですね。
ではコンポーネントの内容を少し拡大して見てみましょう。
様々な処理に対応、やりたいことが大体用意されている
コンポーネントの内容(画像はPRO版のものです)
これが全てではないのですが、ノベルゲームを作る上で使いそうな処理が大体揃っています。
色分けされているのも見やすくて良いですね。
あとはここからドラッグして、その処理を任意のタイミングで実行させます。
もちろん、それぞれの処理に対して、詳細設定も行えます。
いつでもどこからでも動作確認できる
ティラノビルダーにはプレビュー機能がついています。
つまり、完成させて出力しなくても、途中の段階で動作させて確認が出来るのです。
更に、このプレビュー。
ゲーム開始時からのプレビューはもちろん、シナリオ単位でも可能。
更にはシナリオ内の任意の場所からプレビューすることも出来るのです。
一つの処理だけの動作を確認するときなどに重宝しますね。
もちろん、ゲームの構造によってはシナリオ同士の繋がりも考えなくてはならないので、部分的なプレビューだと実際の挙動と異なる場合もありますが、その辺は仕様を理解していればまったく問題ありません。
開発が盛んで、どんどん新機能が追加される
結構な頻度でアップデートが行われています。
アップデート情報については、公式サイトでご確認頂きたいのですが、とにかく対応が素晴らしいです。
正直新しい機能がどんどん追加されて、私も全ては把握できていないほど。
しかし、だからといって多機能であることに困惑するようなことはありません。
ちゃんと自分が使いたい機能だけを抜粋して使う事が出来るのです。
つまり、基本的な使用方法をとりながら、慣れてきたら新しい機能を採用してみる。
そういう使い方が出来るわけです。
これは、ゲームの開発しやすさだけでなく、ゲーム開発者の技術向上の面でも良い開発ソフトなのではないかと思います。
チュートリアルも充実
使いやすいとアピールしてきましたが、もちろん初めてこの開発ソフトを使うとなると、時には躓く場面も出てくると思います。
でもご安心ください。
公式サイトにはとても分かりやすいチュートリアルページがありますし、踏み込んで知りたい方は公式ガイドブックもあります。
画像も豊富で分かりやすいので、これを読めばある程度のことは理解出来ると思います。
公式以外にも解説サイトが多くある
基本的なことは公式サイトで理解出来ると思うのですが、ゲームを作る上で自分なりにやりたい処理が少し特殊なものだったりする場合もあるかと思います。
大抵は基本操作の組み合わせ・応用で何とかなるのですが、時には自分で解決できないことも。
そんなときは、ネットで「ティラノビルダー」を含むワードで検索してみてください。
結構な確率で、解決策が見つかると思います。
今やティラノビルダーでゲーム開発している人は多くいる状態ですので、情報は沢山あります。
Twitterでの情報発信も盛んですね。
公式Twitterとティラノビルダー関係の情報を発信しているアカウントはフォローしておくと良いかもしれません。
高度なことも手順さえ分かれば出来る
直感的な分かりやすさが売りのティラノビルダーですが、高度なことも出来ちゃいます。
これを話すにはまず、ティラノビルダーがどうやって動いているのかを説明しなくてはなりませんね。
ティラノビルダーはティラノスクリプトで動いている。
ティラノビルダーとは、ティラノスクリプトというスクリプト言語で動いています。
プログラミングには詳しくないのですが、簡易的なプログラミング言語というか、単純に入力した処理を出力するタイプの言語っぽいです。
つまり、大元はプログラミングのように、言語を記述して動作させるティラノスクリプトというものによって動いているのです。
では、ティラノビルダーとは何なのかと言えば、ティラノスクリプトによる処理をGUIによって視覚的に操作できるようにしたソフトなわけです。
パソコンのOSもマウスやキーボードを操作して、直感的に操作しますが、内部ではプログラムが動いていますよね。
それと同じようなものです。
さて、では話を戻しますが、ティラノビルダーでは、ソフト内でティラノスクリプトを記述することが出来るのです。
先ほど説明したコンポーネントの中に、ティラノスクリプトを記述する処理も含まれています。
それをドラッグしてきて、ウインドウにティラノスクリプトを記述すれば、その処理が実行されるわけですね。
上級者はティラノビルダーを使わずに、ティラノスクリプトだけでゲーム制作する人もいます。
逆に、ティラノビルダーで少し凝ったこと、高度なことを使用とする場合は、こちらのティラノスクリプトを使うという方法もあるわけです。
ティラノスクリプトは難しくない
とはいえ、プログラミングに準ずるようなもの。
使うのは難しいんじゃないの? プログラミングを使いたくないがためにティラノビルダーの使用を検討しているのに……と思う方もいるかもしれません。
まず前提として、ティラノスクリプトを使わなくても、充分しっかりとしたゲームを制作可能です。
そして、ティラノスクリプトにも公式サイトがあり、サポートも充実しているのです。
基本的な使い方はもちろん、タグ解説にある「タグリファレンス」には、大抵の処理方法が書かれており、実際の動作を確認できる「テクニックサンプル集」まであるのです。
もちろん、そこにある記述をまるっとコピペして使う事も可能。
それらを辞書的に使い、細かい数値などの部分を少し調整するだけで使えてしまいます。
ゆえに、記述の仕方を暗記する必要はなく、困ったらその都度調べて記述すればいいわけです。
もちろん覚えて損はないですし、その方が効率も上がりますが。
私の場合は良く使う記述をメモしてまとめておいて、コピペして使う方式をとっています。
上級者でも戸惑うポイントについては、結構な確率でその上級者の方が解決方法などを発信していたりするので、そういうのも参考になりますね。
ゆえにですね、ティラノビルダーを使用中にティラノスクリプトにも手を出すと、なんだかちょっと「プログラミング」っぽいことをしている感覚を味わいながらゲーム制作が出来ますし、やってみると案外簡単だったりするのです。
どうやらティラノスクリプトにも公式ガイドブックがあるようですね。
入門から結構上級者までカバーされているようなので、気になる方は買ってみると良いかもしれません。
なお、ティラノビルダーもそうですが、公式ガイドブックはダウンロード版と書籍版があります。
なんと、書籍版にはダウンロード版がついてくるようです。
その割にお値段お得な感じ。
でですね、ダウンロード版は時折改訂がされるんですけど、購入済みだとそのまま無料でアップデート出来るわけで、そういったサポートがあるのは嬉しいですね。
あとプラグインもある
プラグインとは、ティラノスクリプト(他の言語が使われている場合もあるかも)による記述により、ティラノビルダーに拡張機能などを付与する操作を、導入するだけでできてしまうものです。
手順に従って、プラグインデータを導入するだけ。
ファイルを投げ込むだけだったり、少しだけスクリプトを記述するだけで簡単に導入できるというものです。
公式サイトにもプラグインが置いてありますし、有志の制作者様のサイトにて詳しい解説なども見ることが出来ます。
こういったプラグインを使って、高度なことをやる方法もあるのです。
ただし、ティラノビルダーの仕様変更などにより、更新が必要な場合もあるので、使用するプラグインの情報は時折チェックした方が良いでしょうね。
本当に優秀なプラグイン職人さんがいっぱいいるので、ありがたいです。
また上級者は自分でプラグインを作る事も出来ます。
有名なエディタをティラノスクリプト用にカスタマイズするプラグインもありますよ。
結局無料なの? それとも無料なの? いや、しかし無料なの?
これを最初に書くべきだったかもしれませんね。
今更ですが、説明します。
無料版(スタンダード版)と有料版(PRO版)があるよ
無料のスタンダード版と有料のPRO版があり、スタンダード版には機能制限があります。
PRO版は制限なしに使えるわけですね。
無料版(スタンダード版)はあまり使えないの?
そんな事はありません。
無料版でもボリュームの大きい作品でなければ充分ゲームを制作可能です。
もちろん、私は有料のPRO版をおすすめしますが。
これだけ高機能でこの価格は安いと思う
この記事を書いている時点で、ティラノビルダーのPRO版の価格は、1,480円です。
私は普段有料のデザインソフトとか作曲ソフトを使用しているのですが、ゲーム制作ソフトに関しては価格の相場というものをあまり知りません。
しかしながら、直感的にこれだけの機能が使えて、ちゃんとノベルゲームが作れるソフトが1,480円というのは安いと感じます。
自分でゲームエンジン開発して、プログラム打ち込んでという手間を考えると、破格のようにも思えます。
それに、購入してしまえば、以降の追加機能なんかは追加料金なしに使えてしまうわけですよ。
現在の開発速度から考えて、相当お得ですね。
※「DLsite」においては1,512円で販売されているようです。
スタンダード版とPRO版の違い
詳しくは公式サイトを見て頂きたいのですが、ざっくりこんな感じというのを。
・使用できるキャラ数が10人まで
・BGMは10曲まで
・背景画像は30枚まで
という制限があるようです。
どれも、1つのプロジェクトに対してです。
ボリュームのある作品を何とかしてスタンダード版で作ろうと思ったら、数作品に分けて作り配信する、という方法でなんとか出来るかもしれませんね。
私はPRO版を使っているので、細かい仕様までは分かりませんが、使う素材を絞れば、テキスト量や表示動作自体には制限がないようなので、スタンダード版でも作れるゲームの幅は結構あるかと思われます。
ちなみにPRO版はと言いますと。
・スタンダード版で制限がかかっている部分が無制限
(使用できる素材数が増えるとかではなく、挙動の許す限り使い放題)
・PRO版にしかない機能も多数追加されている
PRO版にしかない機能
・キャラクター左右反転
・テキスト配置アニメーション(30種類以上)
・変数ウォッチ機能
・3Dカメラ機能
・背景ムービー
・キャラクター振動アニメーション
・プラグインが無制限に登録可能
などがあります。
スタンダード版も充分すごいですが、PRO版の機能の多さには驚かされますね。
これで1,480円は安いと思います。
ちなみに、ティラノビルダーは「Booth」と「DLsite」と「Steam」購入出来るようです。
公式では「Booth」をおすすめしていますね。
時々セールをやっている印象なので、そういうタイミングを狙うのもアリですね。
あとは使いやすいサイトで購入すれば良いかと。
「Steam」に関しては連帯とかがどう関わっているのか分からないのですが、もしsteam経由で起動するようになっているのなら、オフライン作業なんかで支障が出る可能性もあるかもしれませんね。
詳しくは分かりませんが、出来れば「Booth」、もしくは「DLsite」が無難な気がします。
というわけで、制限はあるけど充分使えるスタンダード版は無料。
全ての機能が使えるPRO版が有料ということです。
制作する作品の内容に合わせて、どちらを使うか決めると良いでしょう。
結論。ノベルゲーム制作入門として最適。上級者も安心して使える。
ノベルゲーム制作ツールは数々の歴史があり、調べればたくさんの開発ツール・ソフトがあります。
私はその中の3つくらいしか触ったことはなく、しっかり使っているのはティラノビルダーくらいなのですが、逆に言えば、使い続けようと思わせてくれるソフトが、ティラノビルダーだったということです。
正直、どのソフトを使うかは個人の好みによるところもあるでしょう。
しかし、その上で、使いやすいかどうかというのは重要なポイントです。
ティラノビルダーは、使いやすさという点においては非常に高い部類であると思います。
また、開発が続いていて、ユーザーも多くいるというのが良いですね。
ゆえに、ノベルゲームを初めて作る入門者にとってもすごく優しい最適なソフトであると思います。
あと拡張性なども考えると、上級者でも満足できる開発ソフトかと。
そうそう、ティラノビルダー・ティラノスクリプトで開発された作品は、それ専用の投稿サイトがあったりします。
ノベルゲームコレクション、通称ノベコレです。
見て頂ければ分かるように、多くの作品が投稿され、盛り上がりもすごいです。
ティラノゲームフェスというのも毎年開催されており、大きな盛り上がりを見せております。
他にもバッジ機能など、遊ぶ側が楽しめる要素もあるみたいですね。
制作者がファンの反応を確認しやすいというメリットもあります。
こういう所も、ティラノビルダーをおすすめする理由ですね。
どういうゲームが作れるのか、気になったらノベコレで何作品か遊んでみるのも良いかもしれません。
一応ノベルゲーム開発ソフトとなっていますが、アイデアによって思いもよらないジャンルのゲームを開発される方とかもいて、なかなか驚きますよ。
というわけで、ティラノビルダーはすごいよ
以上、ティラノビルダーの使いやすさ、素晴らしさについて語らせて頂きました。
どんな開発ソフトでノベルゲームを作ろうか迷ったら、とりあえずティラノビルダーの無料版試して、気に入ったらPRO版を使ってみてはいかがでしょうか。
本当に夢のような開発ソフトなんだよ。
ありがたい、感謝。
当サイトでは、覚え書きとして「ティラノビルダー」や「ティラノスクリプト」関連の記事も書いていこうと思います。
基本的には自分が忘れないための書き置きとして書くのですが、もしかしたら入門者の方には役立つ情報もあるかもしれませんので、読んでいただけると嬉しいです。
それでは、楽しい創作ライフをお過ごしください。