今回は放送大学の全科履修生に3年次編入として出願してみたので、そこまでの道のりや考え等について書いていきます。
はじめに
<放送大学への編入学を志望した経緯の簡単な説明>
第0回「放送大学で楽しく学んじゃうブログについて」でも触れているのですが、専門学校を卒業して会社員として働いている中で、再度学問を学ぶ必要性を感じ、また純粋に学ぶことが楽しいと感じ始めたので、僕は働きながら学習を進められる大学を探していました。
すると選択肢は自ずと通信制大学に絞られていきました。
数年前から、通信制大学で学んでみたいなとは思っていたのですが、なかなか踏み出せずにいました。
時に書類を揃えるのが面倒だなっていうのが、僕にとっては大きな壁だったように思います。
ですが最近になって、仕事に関する論文を読んだり、専門分野の知識を問われる機会があり、なんだかんだでそれなりに覚えているものだなと再認識したのです。
学び直しなどと言われるものが注目されていますが、僕個人でいえば学んだものはそれなりに覚えている状態なので、更にそれを深く学んだり、発展させたりしたいなという感じです。
そういう気持ちが強くなったので、今回は本腰を入れて調べることにしました。
そこで見つけたのが「放送大学」です。
放送大学を選んだ理由
放送大学という名前は以前から聞いたことがありました。
イメージとして、その名の通り授業が放送で受けられるものなのだろうという認識でした。
しかし、調べてみると色々な発見がありました。
<放送大学の魅力>
・学費
放送大学の魅力はいくつかありますが、まずは学費の安さですね。
通信制大学は、基本的に基本通学の学部に比べて学費が安い傾向にあります。
しかし、その中でも放送大学はやすい部類です。
1年次から4年間、卒業までにかかる費用は768,000円~となっており、学費を抑えることができます。
それと、放送大学の学費システムがすごいのは、1単位あたり6,000円という価格帯であり、学びたい科目数に応じて費用が発生するところです。
つまり、人によってトータルの授業料が変わるのです。
卒業要件を満たすと自動的に卒業となるようですが、その範囲でなら好きなだけ好きな科目を学ぶことができます。
人によっては、何度も入学を繰り返し、全単位取得を目指す人もいるのだとか。
あと、単位取得にはお金がかかりますが、履修選択をしていない科目も、授業を視聴することが可能です。
これはBS放送を契約している人なら、入学していなくても可能らしいのですが、僕は契約していないので見ることができません。
しかし、入学すればインターネット上で見ることが可能です。
ちょっと気になるけど、履修する労力を割り当てるのは難しいというような科目なんかは、これで視聴するなんてこともできますね。
僕は広く色々学びたいという意欲もあるので、これは魅力的です。
・入学要件
次の魅力は入学要件ですね。
放送大学に入学試験はありません。
書類のみの選考となります。
大学院の全科履修生の場合は試験があるのですが、学部生は誰でも入れます。
とはいっても、入学の要件を満たす必要はあります。
これも調べると分かるのですが、中卒の人や高校中退の方でも入学できるルートがあります。
そういう点では、広く学びの門を開いていると言えるでしょう。
僕の場合は編入学希望で、3年次編入が可能そうでしたので、3年次編入を希望しました。
3年次編入すると、学部の在学は最低2年となり、2年で卒業可能です。
それに、専門学校で得た単位を認定してもらうことで、卒業に必要な単位をおよそ半分くらいにすることも可能です。
つまり、専門学校卒業という称号が無駄にならずに済むのです。
それを卒業して年月が過ぎてからでも活用できるのは魅力的ですよね。
編入した場合、カリキュラムが固定されている大学だと、1・2年次の内容を学んでいる前提となり少々大変ですが、放送大学はカリキュラムも自分でカスタマイズ出来るので、基盤科目が足りないと思えばそれを選択して基礎から学ぶことも可能です。
正直、学ぶ場所としては無駄がなく素晴らしい場所だと思います。
・幅広い分野を学べる
通信制大学というと、極一部の学部のみで用意されている場合もありますが、放送大学は多くの分野を学ぶことが可能です。
学部は教養学部教養学科となり、得られる学士は学士(教養)となりますが、さらに6つのコースに分かれていて、そこで好きな専門分野を学べます。
コースは、生活と福祉、心理と教育、社会と産業、人間と文化、情報、自然と環境です。
もちろん、他のコースの科目を履修することも可能です。
これらのコースは、卒業要件に影響していきます。
僕は自然と環境コースへの編入を希望しています。
自然科学の分野について、広く学び、学際的な研究に繋げていきたいと思っています。
生物・化学・宇宙・数理など、結構よくばりに色々学べちゃう感じです。
・授業の質が高い
通信教育とはいえ、担当する教員は2,000人以上いらっしゃり、他の有名大学の教授などが兼任されている場合もありますし、専任の方も一流の方が多くいられます。
そう聞くとちょっと怖い気もしていたのですが、公式のYouTubeチャンネルで先生方の話などを聞くと、真剣に学問と向き合う学生に対してとても真面目に対応してくれそうに感じました。
情報も多いので、事前に大学の雰囲気を感じられるのは良いですね。
・研究もできる
そして何より、放送大学では研究ができます。
もちろん学部で卒業研究を選択すればできるのですが、前期修士課程、後期博士課程も通信制大学として存在するのです。
難易度は高いと思うのですが、通信でこれらを目指せるのは魅力です。
僕は研究もしたいと思っているので、少なくとも修士課程までは行く予定です。
入学手続きの流れと注意点
ここからは、入学にあたっての注意点などについて書いていきます。
入学を検討されている方には多少なり参考になるかと思います。
<入学情報の収集方法>
これは必須です。
入学しやすい大学なので、思いつきでふらっと入ってもいいのですが、真剣に学び続けるのであれば、事前の情報収集は大切ですね。また、書類関係でのミスなどを減らす上でも必要です。
まずは、自分の置かれている環境や勉強に対するモチベーション、目的などを分析しましょう。
その上で、働きながら学ぶために通信制大学という選択肢が出てきたのであれば、可能な限り通信制大学に関する情報を収集しましょう。
放送大学は魅力的な大学ですが、他にも通信制大学はあるので、自分に合う大学を探しましょう。
もしそれで、放送大学に興味を持ったのであれば、資料請求をしましょう。
これは重要なポイントです。
もちろん、出願に必要な情報はインターネット上で集めることが可能です。
しかしながら、インターネットの情報のみで出願するには、余程の集中力と確認する能力が必要になってきます。
特に全科履修生の場合は、ネット出願以外に必要書類を大学に送るということをしなくてはなりません。
資料請求すると、大学情報の要項などが紙媒体で得られるとともに、出願に必要な書類の様式集や、書類を送るための封筒が付属して付いてきます。
これの何が良いかというと、放送大学に入ろうとする本人は情報を持っているわけですけど、特に編入学の場合は単位認定に関して卒業した母校などに必要な書類の作成を頼まなくてはならないわけです。
その際に、要項を渡して確認してもらったり、実際の書式を手渡したりできるのは手続きをする上で効果的です。
また、放送大学の場合、母校の書式ではなく放送大学が指定した様式でなくては受け付けてもらえないので、母校に面倒な作業を頼むことになります。
この辺りはマナー的な話になるかも知れませんが、できれば充分に必要な情報を理解し、依頼する本人が詳細を説明できる状態にした上で、書類作成をしやすいように気を使うのは大切かなともいます。
それに関連する部分であるのですが、願書の提出期限にも注意してください。
そしてなるべく早く行動しましょう。
書類作成は場合によっては1週間程度かかる場合もありますし、遠方に頼む場合もあります。
その場合は郵送に時間がかかりますね。
願書の提出期限はもちろん期限を守れば入学資格はあるわけですけど、提出するタイミングが早ければ、それだけ合格通知や学生証の取得、授業の開始も早くなります。
各学期の開始と同時に、またはそれより少し早い段階で学び始めることもできるので、注意しましょう。
また、しっかり準備すれば問題ないのですが、書類の不備がある場合もあります。
その場合は再度必要書類を用意する必要が出てくるので、更に時間がかかることもあらかじめ理解しておきましょう。
<必要書類について>
さて、ここからは必要書類、特に編入学に関して必要となる書類について書いていきたいと思います。
主に専門学校卒業(2年制)からの3年次編入(全科履修生)に関して書くので、それ以外の場合についてはお調べいただきたいのですが、共通する部分もあるかと思うので、参考程度に。
専門学校卒業から3年次編入するには、その卒業した専門学校が3年次編入の要件を満たしている必要があります。
厳密には編入に要件があり、更にそこで認定される単位数に応じて2年次編入か3年次編入かに分かれます。
ただ、出願時点でどちらになるか選択する必要があるので、事前に決めておく必要があります。
編入の要件は、卒業した専門学校が、
・修了時点で専修学校専門課程の認可を受けていること
・修業年限が2年以上であること
・修了に必要な総授業時数が1,700時間以上(単位制および通信制の学科においては修了に必要な総単位数が62単位以上)であること
恐らく、何らかの専門士が与えられる専門学校なら満たしていると思います。
詳しくはその専門学校のホームページを見たり、直接訊ねるなどしましょう。
2年次編入と3年次編入で異なるのは認定される単位数の上限と、修業年限と在籍年限の最長です。
上の学年に編入するのが学費的にはお得ですが、時間をかけて学びたい人はあえて下の学年から、というパターンも可能ではあるのでしょう。
ただ、休学制度などもあるようなので、そのような編入をする位なら単位認定を受けた上で普通に1年次入学が良いのではと思ったりします。
個人的にはあえてそうするメリットはあまり感じません。
学び足りなければ、入学し直すということも放送大学では可能ですから。
それで、専門学校卒業から3年次編入の場合必要な書類は以下の通りです。
・大学入学資格証明書
・編入学等資格証明書類
上記2つが、願書郵送もしくはネット出願に加えて必要になります。
全科履修生の場合は、ネット出願をした場合でも必ず書類の郵送が必要になるということです。
さて、ではこの2つについて説明します。
まず、大学入学資格証明書ですが、これが結構注意が必要な気がします。
用件を満たしている専門学校を卒業していても、その専門学校の卒業証明書や卒業証書では大学入学資格証明書にはなりません。
この場合、必要なのは高校または中学校の卒業証明書となります。
しかも、原本が必要となります。
3年制の専門学校や高等専門学校を3年以上修了した場合は異なるのですが、2年制の専門学校を卒業した場合は、高校または中学校の卒業証明書です。
つまり、母校(高校または中学)の事務局に連絡を取り、作成を依頼、直接取りに行くか遠方の場合は郵送する必要があります。僕の場合は遠方だったので郵送を依頼しました。
学校によって手順は異なりますが、僕の場合はまず連絡を取り、申請書類を返信用封筒を同封した上で母校の高校に送りました。
返信用封筒にはもちろん切手を貼っておきます。
急ぐ場合は速達の料金分を含めた切手を貼り、速達での郵送を依頼しましょう。
更に、書類申請にかかる費用を高校の銀行口座に振り込みました。
それが確認できてから、高校の事務局で書類作成が始まります。
書類作成自体は即日可能なようですが、郵送の場合は時間がかかりますね。
大体1週間はかかると考えておくと良いかもしれません。
僕の場合はそのくらいでした。
専門学校への入学は主に高卒からなので、専門学校の卒業証明が大学入学資格証明書になると思いがちですが、放送大学の場合は違うんですよね。
この辺も募集要項などをしっかり読み確認しておきましょう。
次に、編入学等資格証明書類です。
こちらは卒業した専門学校に作成を依頼します。
放送大学指定の様式があるのでそれにしたがって作ってもらう必要があります。
恐らく、卒業した専門学校にもそういった編入にかかる書類作成についての情報があるかと思うので、それを調べて確認し、更に放送大学の様式についても理解しておきましょう。
これは単位認定にかかる書類なので、多分作成は面倒だと思います。
優秀な担当者だと案外早く作成してもらえるかも知れませんが、こちらも最長1週間程度かかると考えておきましょう。
その専門学校が放送大学の情報を持っているとは限らないので、募集要項や関連書類は事前に準備しておきましょう。大抵快く引き受けてくれるとは思いますが、専門学校の運営にあたる業務も並行してあると思うので、最大限の配慮をしましょう。
こうして、大学入学資格証明書および編入学等資格証明書類を手に入れた僕は、それを資料請求で手に入れた出願用の封筒に入れて郵送しました。
選考はこの書類が揃った時点で始まります。
全て紙で提出する場合は、願書一式、大学入学資格証明書、編入学等資格証明書類を郵送。
ネット出願する場合は、ネット出願した後、大学入学資格証明書、編入学等資格証明書類を郵送します。
この時、ネット出願した場合は出願時に得た整理番号を専用封筒に記載しましょう。
自分で封筒を用意することも可能ではあるのですが、対応するラベルを用意したりと面倒ですので、資料請求をして専用封筒を獲得するのが良いと思います。
専用封筒には注意事項なども色々書いてあるので、ミスが生じにくいと思います。
さて、ここまで済むと出願作業は概ね完了です。
僕はネット出願したので、全て郵送の場合はあまり分からないのですが、ネット出願が済むと放送大学からメールが届きます。
更に放送大学のサイトからネット出願関係ページにログインすることで、選考状況を確認することができます。
書類が揃った時点で、選考ステータスが「選考中」になると思うので、あとは待つだけです。
合格すると「合格通知作成中」に変わるらしいです。
僕はまだ確認できていませんが、数日中には確認できる予定です。
出願について
出願についても、少し書いておきましょうか。
僕の場合、ネット出願なのでネット出願について書きますが、内容は書類でも同じだと思います。
可能であればネット出願が楽なのではないかと思うので、おすすめです。
さて、出願についてですが先に述べたように、放送大学は自分が履修したい科目を選ぶことができます。
そしてこれは、入学時に限らず学期ごとに科目の申請が必要です。
もちろん、入学時も出願の時点で履修する科目を選択します。
つまり、あらかじめ何を学ぶか決めておく必要があります。
これについては別の機会に説明したいと思いますが、出願にはこの履修科目を決める時間も確保しておかないといけないということは知っておく必要があります。
無闇矢鱈に選択はできません。
お金もかかりますし、学習計画に直結する部分なので慎重に考える時間を確保する必要があります。
なので、単に入学を決めるだけだと、出願の時点で慌てる可能性があるのです。
履修する科目さえ決めてしまえば、あとは説明にしたがってネット出願で必要事項を入力していくだけです。
ただ、ところどころ卒業年月などは元号ではなく西暦が指定されたりするので、あらかじめ卒業年月やその西暦表記などについても調べておくと良いでしょう。
この辺りは母校に書類作成を申請する際にも必要になったりします。
以上が専門学校卒業(2年制)から3年次編入する際の注意点ですかね。
思ったより詳細に書いたような気がします。
入学をお考えの方は参考にしていただければと思います。
しかしながら、放送大学の募集要項や関連書類、公式WEBサイトに勝る情報はないので、そちらできちんと確認しましょう。
通信制大学だからと侮らず、自分で選択して学ぶ意志を提示するのですから、その辺はとても大切だと考えます。
おわりに
さて、今回は「放送大学に出願してみた」ということで、出願までの流れや放送大学を選んだ理由などを書いてみました。僕はまだ選考中で、合格待ちの状態ですが絶対合格すると思うので、今後も放送大学の学びについて色々発信出来ればと思います。
次回は出願時に必要な履修科目の選択について少し書いていきたいと思います。
それではまた次回。