はじめに
僕はデジタルで絵を描くことが好きです。
それはもう15年以上前からなのですが、最初に手に取ったデバイスはWacomのBambooシリーズでした。
当時はペンタブレットのエントリーモデルとしてこのシリーズが売られており、確かに入門機としてとても使いやすかったので、その後もWacomのペンタブレットを愛用しています。
使用歴としては、Wacom:Bambooシリーズ→Wacom Intuos4(EXL)→Wacom Intuos Pro(Large)といった感じです。
正確には覚えていませんが、恐らくBamboo(3年くらい)、Wacom Intuos4(14年以上)の使用で、今回Wacom Intuos Pro(Large)を購入という流れです。
せっかくなので懐古しつつ、レポートを書いてみたいと思います。
Wacom:Bambooシリーズ
かなり古い製品ですが、僕が使っていたものはBamboo Funとして売られていたもので、CTE-650という機種ですね。サイズは今で言うSmallサイズくらいでしょうか?
単なるタッチパッドではなく最低限筆圧感知があるといった感じのエントリーモデルです。
当時は何故かマウスもついてきました。
全体的にプラスチック感の高い機種で、筆圧レベルも512レベルというものでしたが、軽くて手に抱えて描いたりも出来たので、なれると使い心地はとても良いです。
上位機種に買い換える目的で使用をやめましたが、今でも使おうと思えば使えますし、正直壊れるというイメージが出来ないくらい丈夫な印象です。
さすがにもう公式でもページが存在しないような機種です。
価格を抑えるために買うならば、別のエントリーモデルを今なら選ぶべきでしょうね。
今だとOne by Wacomとかでしょうか?
これでも筆圧レベルが2048レベルと、僕からすればかなり高いので、良いエントリーモデルだと思います。
Wacom Intuos4(EXL)
次に買ったのがWacom Intuos4(EXL)で、これが僕が最も愛用していた機種です。
Wacom Intuos4(EXL)というのはIntuosシリーズ、つまりプロレベルのクリエイターが使用することも考えた最上位機種のペンタブレットと言っても良いでしょう。
購入当時最新だったのがIntuos4の機種で、何とこのIntuos4にだけEXLというLargeサイズを超えるとんでもなくでかい機種が存在しました。
僕は何を思ったか、この珍しい機種を買ってしまったんですよね。
しかも実店舗で購入し、自分で家まで運びました。かなり重かったです。
値段も8万円くらいだったでしょうか?
ペンタブレットとしてはかなり高額だったと思います。
今のWacom Intuos Proに相当する機種ですね。
何がすごいって、恐らく現行のペンタブレットの中で一番大きいのではないでしょうか。
とにかく大きくて、重いです。
ぱっと見大型の液晶タブレットのような見た目で、分厚い機種ですが、ちゃんと板状のペンタブレットなんですよね。
長いストロークで描けることと、キャンバスに描いているような感覚で描けるのがお気に入りポイントです。
筆圧レベルは現行のエントリーモデルと同じ2048レベルと、今の技術からするとちょっと物足りない感じですが、充分描ける製品です。
まあ、今更この製品を買う人はいないでしょうけど、珍しい製品ではあると思います。
普通にテーブルとして使えそうなくらい大きくて頑丈ですからね。
しかし、さすがに15年近く使ったせいが、近年描画中に接触が切れることが頻発し、特定のエリアでは線が引けないという状態に。
恐らく内部の基盤で断線している箇所があるのでしょう。
中を開けて色々やってみることも考えましたが、正直現行の機種との性能差がかなり大きくなってきたので買い換えることにしました。
Wacom Intuos Pro(Large)
そして今回購入したのがWacom Intuos Pro(Large)です。
現行のWacomペンタブレットでは最上位の機種ですね。
筆圧感知も8192レベルと、以前の4倍くらいになっています。
一気に上がりましたね。
ここからは以前使っていたWacom Intuos4(EXL)との比較になります。
ちなみにIntuos4 EXLとIntuos Pro Largeを並べてみた画像はこんな感じです。
以下はIntuos4 EXLとIntuos Pro Largeのスペック比較表です。
機能 | Intuos4 EXL | Intuos Pro Large |
---|---|---|
サイズ | Extra Large | Large |
アクティブエリア | 約 462 x 305 mm | 約 311 x 216 mm |
筆圧レベル | 2048レベル | 8192レベル |
接続 | USB | USB, Bluetooth |
解像度 | 5080 lpi | 5080 lpi |
ペンの傾き検出 | 有 | 有 |
重量 | 3.5kg | 1.3kg |
ざっくりとこんな感じです。
アクティブエリアですが、さすがにEXLの方が大きいです。
しかし、僕の場合、故障により描画がうまく出来なかったりとアクティブエリアが狭まっていたので、Intuos Pro Largeに変えた後でも、さほど狭まった印象は受けませんでした。
それにLargeサイズなので、それなりに大きいです。
次に筆圧レベルですが、前述したとおり4倍に上がっています。
実際に描いてみたのですが、故障していたことを考えても、格段に書き心地が変わったことを感じられるレベルです。
どんな感じかというと、しっとりとした印象です。
例えば、感知して描画される状態を1、非感知状態を0と置くとしましょう。
1の時に筆圧に応じて描画がされるイメージです。
この時、Intuos Pro Largeの場合、この間に0.5が存在する感覚とでも言いましょうか。
描いていて、磁石のようにパッと感知するのではなく、もっと微細な感覚で感知する。
感知する初動をはっきりと感じない滑らかな描き心地といった印象です。
僕の場合は更に前機種が故障していたので、その引っかかりや抵抗が一切なくなったので、恐ろしいくらい描きやすくなって大満足です。
接続に関しては、Intuos Pro LargeはBluetooth接続にも対応しているようですね。
僕はこの辺りは正直有線でまったく問題がないので有線で使っています。
なのでBluetooth接続による使用感は分かりません。
恐らく目立った遅延はないと思いますが、まあ有線が安心ですね。
次は重さや外観です。
重さに関しては言わずもがな、EXLはかなり大きくて重く、Intuos Pro Largeはそれなりに大きさはありますがEXLに比べれば軽いです。
まあ、比べる対象が大きすぎるのであれなのですが、EXLは大きなプラスチックの塊で、中はそこまで密度を感じない機体でした。
それに対しIntuos Pro LargeはiPadのように金属の印象が強く、密度も高いが薄いという印象です。
僕はiPadProの12.9インチの機種を持っていますが、それをもうもっと大きくした感じに近いですね。
落としたら壊れやすそうな印象もあるのですが、高低差のある場所での運搬などさえ気をつければ、接地した後はむしろ安定して固定できるので良いです。
裏面のグリップがかなり効きますね。
後細かいところで言うと、ファンクションボタンなのですが、これは6つついています。
ホイールを挟んで上に3つ、下に3つですね。
Intuos4 EXLの場合は小さいディスプレイがついていて、そこにガイドを表示出来たので直感的に割り当てたボタンが何なのか把握できました。
Intuos Proにはそのディスプレイはないのですが、軽くボタンに触れると、画面上でガイドが出るようになっています。
なので、わり得てたファンクションキーについてもそれで把握可能です。
ただ、このガイドを出すためのボタンの触れ方には癖があり、軽く触れると言っても指を乗せる程度だと反応せず、完全に押すよりかは軽いかなといった感じで触れる必要があります。
まあ、この辺りは使っていくうちになれると思うので問題ありません。
あと革新的なのは、タッチ機能です。
これはアクティブエリアをペンでなく指で触れても感知するというもので、描画でなく画面の拡大・移動・回転に使えます。
時折描画する際に触れてしまった指がこのタッチ機能で誤動作することもたまにあるのですが、作業用の手袋をすれば低減できそうです。
どうやら公式では専用のグローブも出ているようなので、それ対策だと思います。
僕は時々忘れてしまうのですが、軍手の指先部分を裁断したものを作業グローブとして使用することがあるので、それを使えば誤動作も低減できるかなと思います。
素手でも煩わしいと思うほどは頻発しないので大きな問題ではないでしょう。
それにタッチ機能をON・OFFするスイッチもサイドについています。
後は、ペンですね。
僕が使っていたのは旧世代のクラシックペンで、今回購入したIntuos Proのペンは標準でWacom Pro Pen 2です。
何が違うかというと、太さとデザインですかね。
さすがにWacom Pro Pen 2はカッコイイです。
クラシックペンは無難な感じというか、悪くないんですけどね。
性能の違いは正直好みだと思います。
ありがたいのは、旧式のクラシックペンもそのままIntuos Proで使えると言うことですね。
替え芯などもまだ残っている状態だったので、それを無駄にせずに済みそうです。
とはいえ、恐らくはサブというか予備として置いておいて、基本はWacom Pro Pen 2を使うと思います。
あとこれはあくまで僕の好みなのですが、ペンのサイドボタンに関しては、僕は何も割り当てないことにしています。
消しゴムだったりを割り当てることもあると思うのですが、僕は描いている途中でサイドボタンに接触して誤動作が起こることが苦手なので、そんな風にしています。
正直、ペイントソフト上で選択するのにそこまで煩わしさを感じないという感じです。
あとこれは性能とかとは違うのですが、Intuos Proの製品が入っているパッケージは可愛いです。
箱もしっかりしているので保存BOXとして普通に使えますし、マジックテープで止められる構造になっているのでしっかり閉じられる上に開けやすいのでとても良いです。
デザインは何か妖怪みたいなのが百鬼夜行しているような謎のデザインですね。
でも可愛いです。
大きめのペンタブレットを購入したときに重要なのは、使うときにいかに早く使える状態に出来るかでしょう。
常時置いておけるスペースがあれば良いですが、そうでない場合はこのポイントが、使用頻度に直結し、創作活動のやる気にも繋がります。
そういう意味ではとても良い製品だと思います。
安く買う方法
最後に、安く買う方法について書きたいと思います。
正直今回安く買ったのは偶然なのですが、一応備忘録として。
Wacomには公式で、アウトレット品の販売があります。
これは僕がネットで購入しようと検索していたときに、おすすめで表示されていたので見つけたものです。
調べてみると、外箱の色あせなど、未開封新品だけども在庫として置いている製品を割引して販売しているようです。
つまり、製品自体には不備はないということです。
基本的には返品不可で、初期不良のみ対応みたいな感じだったと思います。
あまり気にならないのであれば、こうしたアウトレット品を買うのもありでしょう。
僕は今回アウトレットで買ったので、恐らく2万円くらいは安く買えたと思います。
アウトレット品も常時扱っているわけではないと思いますし、数に限りがあると思うので、気になる方は小まめにチェックすると良いでしょう。
とにかく今回はお買い得でした。
さいごに
デジタルでお絵描きをするクリエイターにとって、ペンタブレットは大切なデバイスです。
僕は液晶タブレットを使ったことがないので、その辺りに関しては言及できませんが、今回はWacomのペンタブレット(板タブ)について、それなりに役立つ情報が描けたのではないかと思います。
僕は物を大事にするタイプなので、今回はかなりギリギリまで前機種を使い果たした感じですが、様々な効率や性能が向上することを考えると、定期的なデバイスのアップデートも必要なのかなと感じました。
デジタルでお絵描きを始めた頃はマウスで描いていたので、その頃から考えるとデバイスの進化に驚かされます。
ともあれ、これで更に僕のクリエイティブな活動が活発になれば最高ですね。
というわけで、今回はWacom Intuos Pro Largeの購入レポートを書いてみました。
お役に立てれば幸いです。